Mozc UT2は、UTUMI Hirosi氏が作成、公開しているMozc用のUT2辞書を内包したMozcです。
UT2辞書はMozcのシステム辞書を拡張したもので、利用するにはMozcをビルドし直す (Ubuntuにインストールできるように作り直す) 必要があります。
まず、OSDNの作業部屋からUT2辞書を同梱してあるMozcのソースコードをダウンロードします。
コマンドを使ってダウンロードする場合は、terminalまたはcommandもしくは端末と入力、表示された をクリックして起動し、以下のコマンドを実行します。
をクリック、wget https://osdn.net/downloads/users/26/26307/mozc-2.23.2815.102%2Bdfsg~ut2-20171008d%2B20200423focal.tar.xz
ダウンロードしたファイルがあるフォルダーで、以下を実行してファイルを展開し、作成されたフォルダー内に移動します。
tar xavf ./mozc-* && cd mozc-*/
以下を実行して必須パッケージをインストールします。
sudo apt update && sudo apt upgrade -y && sudo apt install -y devscripts debhelper libibus-1.0-dev pkg-config libxcb-xfixes0-dev libgtk2.0-dev python3-dev gyp protobuf-compiler libprotobuf-dev qtbase5-dev libqwt-qt5-dev libgwengui-qt5-dev libuim-dev libzinnia-dev fcitx-libs-dev gettext desktop-file-utils ninja-build
以下を実行してビルドを開始します。結構時間がかかります。
sudo ./build_mozc_plus_utdict
ビルドが終了したら、インストールされた大量のパッケージを削除しておきます。以下は、一例です。
tail -n 5 /var/log/apt/history.log | grep Install: | sed -e s/"Install: "// | sed -e s/", automatic"//g | sed -e s/"), "/"\n"/g | sed -e s/" (.*$"/""/g | tr '\n' ' ' | xargs sudo apt-get remove -y
ビルドが正常に終了するとdebファイルが複数生成されるので、以下を実行してインストールします。
sudo apt install -y mozc-utils-gui
sudo dpkg -i ./mozc-data_*.deb ./mozc-server_*.deb ./mozc-utils-gui_*.deb ./ibus-mozc_*.deb
fcitx-mozcがインストールされている場合 (Ubuntu 16.04から18.04にアップグレードした場合など) は、上のコマンドの代わりに以下を実行してインストールします。
sudo apt install -y mozc-utils-gui
sudo dpkg -i ./mozc-data_*.deb ./mozc-server_*.deb ./mozc-utils-gui_*.deb ./ibus-mozc_*.deb ./fcitx-mozc_*.deb
後はUbuntuを再起動すればUT2辞書を内蔵したMozcを利用できるようになります。
UT2辞書が有効になっているかどうかは、ばーじょんと入力して変換し、表示された変換候補にMozc-UT2-2.23.2815.102+24.2.ossといった文字列が含まれているかどうかで判別できます。
変換候補に半角英字と全角英字が入り交じる場合があるので、気になる場合は以下のページを参考にしてください。