管理者権限にはどのような働きがありますか?
コンピューターには、システムが正常に動作するのに必要な多数のファイルが存在します。それらの重要なシステムファイルを誤って変更してしまうと、システムが破壊されて様々な問題を引き起こすため、デフォルトでは変更できないように保護されています。 システムの重要な部分を変更する一部のアプリケーションもまた、同様に保護されています。
保護の方法は、ファイルを変更したりアプリケーションを使用する際に、管理者権限を用いることで行っています。コンピューターを日常的に使用する場合、システムファイルを変更したり、システムファイルを扱うアプリケーションを使用する必要が無いため、デフォルトでは管理者権限は所持しません。
たまに管理者権限が必要になった時は、一時的に管理者権限を得ることができます。管理者権限が必要なアプリケーションは、パスワードを要求します。例えば、いくつかの新しいソフトウェアをインストールする場合、ソフトウェアインストーラー (Ubuntu Software のようなパッケージマネージャー) は、システムに新しいアプリケーションを追加できるよう管理者パスワードを要求します。作業が終了すると、再び管理者権限が剥奪されます。
管理者権限はユーザーアカウントに関連付けられます。管理者ユーザーは標準ユーザーには無い権限を所有することができます。管理者権限が無ければ、ソフトウェアをインストールすることもできません。一部のユーザーアカウント (例えば “root” アカウント) は、常に管理者権限を所持しています。ついうっかり何かをやらかしてしまった (例えばシステムに必要なファイルを削除してしまった) 時のことを考えて、管理者権限を常に使用するのは避けるべきです。
要約すると、管理者権限は必要に応じてシステムの重要な部分の変更を許可し、うっかりミスを防ぎます。
“スーパーユーザー” とは何ですか?
管理者権限を持つユーザーは、時にスーパーユーザーと呼ばれます。これは単純に、通常のユーザーよりも多くの権限を持つためです。su や sudo について議論する人々を見かけるかもしれませんが、これらは一時的に “スーパーユーザー” (管理者) 権限を得るためのプログラムです。
なぜ管理者権限が役に立つのですか?
重要なシステム変更を行う前に、ユーザーが管理者権限を得ることは、故意または過失を問わず、システムが破壊されることを防ぐのに役立ちます。
常に管理者権限がある場合、意図せず重要なファイルを変更してしまったり、重要な変更を行うアプリケーションを誤って実行してしまうかもしれません。一時的に管理者権限を得るようにするだけで、これらの間違いを起こすリスクを軽減することができます。
管理者権限は、一部の信頼できるユーザーにのみ、与えるべきです。そうすることで、必要なアプリケーションをアンインストールしてしまったり、不必要なアプリケーションをインストールしてしまったり、重要なファイルを変更してしまったりといった、コンピューターへの不正な操作を防ぎます。これはセキュリティの観点から有用です。